青梅の選別から漬け方までを徹底解説

無農薬で作る青梅の漬け方

無農薬で作る青梅の漬け方

無農薬の梅干し作り|青梅の漬け込み

 

龍神梅では青梅を収穫後、選果機にかけて大きさを分けています。

 

大きさは一番小さい方から順にS→M→L→2L→3L→4L、というふうに分けられます。

 

この6階級に分けた後、S粒とM粒を「小粒」に、L粒と2L粒を「中粒」に、
3L粒と4L粒を「大粒」というふうに梅を分別しています。

 

ここでサイズを選別した「小粒、中粒、大粒」の梅が商品のサイズに直結しています。

 

小粒の梅は小粒梅干し、中粒の梅は普通の梅干し、大粒の梅は角樽という商品に使いわけています。

 

各サイズに2階級ずつのサイズが含まれていますので、商品に入っている粒の大きさは多少不揃いです。

 

選別作業が終わってからが体力の必要な漬け込みになります。

 

青梅の漬け方は、加工会社や農家さんによって違います。

 

龍神梅ならではの漬け方を説明していきます。

 

青梅の灰汁抜きと漬け方

 

選別が終わると、小中大に分けて水漬けです。

 

洗浄も兼ねますが、灰汁を抜くために水漬けします。

 

タンクに青梅を入れて、梅が全部浸るまで水を溜めるだけ、水は普通の水道水を使います。

 

これでずっと置いておきます。水に浸っている梅はなぜか気持ちよさそうに見えますね。

 

灰汁の抜け方は「その日の梅」によって全て違います。

 

梅の状態を見極めながら、漬け方を変えていくことが大切になります。

 

一晩で灰汁が抜ける青梅もあれば、2日間でも灰汁が抜けていない青梅もあります。

 

灰汁が抜けてくると、水の表面に白色に近いうすい灰色の泡がブクブクと浮いたままになっています。

 

この泡は舐めてみるとシブいです(灰汁ですからね)。

 

浸っている梅はどうなっているかと言うと、漬け始めたときの青さはなくなっており、きれいな黄色っぽい色になっていて、梅の実の硬さも、カチカチだった青梅が人差し指と親指でつまんだときに少しフワッとするような柔らかい感じになっています。

 

水から上げるタイミングが早すぎてしまうと私たちが「ガリ」と呼ぶ梅になってしまい、ただ硬いゴリゴリした実になって、梅干しとはまた違う実のような感じになってしまったり、水上げが遅すぎたりすると、色が茶色に変色したり、この時点で実がベチャベチャにつぶれたりと、いい梅干しにならなくなってしまうので、注意が必要なポイントです。

 

この毎回違う状況を見てベストタイミングで水から上げて、塩漬けに移ります。

 

水から上げる前に、まず水の表面の灰汁を流し落として、20㎏コンテナを使ってザブッとタンクからすくい上げます。

 

すくい上げたコンテナの余分な水を落とすため、毎回20㎏のコンテナを、ラーメンの湯切りのようなイメージで余分な上下させます。

 

結構な力と体力が必要ですね(笑)。1日数t(トン)を漬込んでいくので、いかに早く丁寧に作業するか、というところもポイントです。

 

 

青梅の塩漬け

 

そして計量して塩漬けのタンクに青梅を入れていきます。

 

塩漬けに使うタンクは3tタンク~5tタンクと、いろいろサイズがありますが、この大きなタンクに青梅を入れていきます。

 

この時に青梅が凸凹の山にならないように、平らになるように漬けていきます。青梅を平らに入れておいて、塩をその青梅の上にまいていきます。

 

龍神梅の漬け方ですが、200㎏の青梅を入れて、その上から塩を入れる、また200㎏の青梅を入れる→塩→梅と、梅と塩の層を作っていきます。

 

この漬け方で層を作ることによって、梅酢がスムーズに上がってきます。

 

この流れでタンクがいっぱいになるまで繰り返していき、そのタンクの最後に「塩の重たいフタ」のような層を作ります。

 

青梅の灰汁抜き作業の水漬けと塩漬け、この2つの漬け方こそが龍神梅のおいしさなのです。

 

無農薬の梅干しは塩で決まります。

 

これを龍神梅では「天塩」(てんじお)と呼んでいます。

 

この天塩をする前の時点で、すでに梅酢はだんだんと上がって来ているのですが、天塩をすることによって、その梅酢のあがり具合をいっきに加速させて梅酢をあげることができます。

 

この天塩が溶けるころには、タンクの梅は全部梅酢に浸るくらいの酢が出てきています。

 

この時点では梅は酢に浮いている状態なので、フタを載せて、しっかりと重りを載せて、梅を沈ませておきます。

 

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