昔ながらの加工方法が梅干しの味を決める

美味しい梅干しに仕上がる梅の加工方法

美味しい梅干しに仕上がる梅の加工方法

 

ここでも実家が梅農家の従業員の話を聞いて梅干しの加工方法や味の違いについて比較していきましょう。

 

まず龍神梅では塩漬けに使う塩の量は、梅の量に対して12%で漬けています。龍神梅の漬込み方、塩分については別ページで

 

これに対して一般農家さんは、梅の量に対して20%を超えるくらいの塩の量で漬込んでいきます。

 

これくらいの塩分にしておかないと、完熟梅では酸が弱いため、腐ってしまう恐れがあるので、塩分は高めに設定します。

 

塩分量だけでもこれだけの加工方法の差があります。

 

龍神梅の場合、「龍神梅の塩分」でも説明していますが、梅の干し上がった時の塩分は、水分が飛んで18%前後まで濃度が上がっています。

 

18%くらいまで上がっていますが、「塩ッカラい!」という感じは無く、まさに梅の酸味をまるごと味わえる「これぞ梅の酸味!」という感じで、梅が「これでもか」というほど唾液を引き出してくれます。

 

この干し上げただけの梅のことを私達は「白干し」と呼んでいて、これをタルに入れて保管しています。

 

 

白干し梅からの味の変化

 

保管している間にも梅はゆっくり変化しています。

 

自然加工でも味は変わるのです。

 

どのような言葉で表現すればいいのか難しいのですが、時間が経てば経つほど、「酸味の角が取れる」や、「まろやかになる」と言ったところでしょうか。

 

わかりやすくまとめてみると、干し上げたばかりの梅は酸味を強く感じ、寝かすほど酸味が丸くなる、という感じに梅は常に味が変化しています。

 

また、この保管中に梅の表面に、塩やクエン酸が結晶化した白い塊のような物が表れます。

 

異物と間違われやすいのですが、龍神梅の梅から染み出た塩やクエン酸の結晶は梅果汁が詰まった梅味の塩という感じでとても美味なのです。

 

この塩の結晶を取り除くことはしないので、龍神梅の商品として出荷される梅干しにもよく付いています。

 

多くの梅の加工会社では、この塩の結晶をきれいにする加工をほどこしていますね。

 

せっかくの塩の結晶が加工によって消されてしまうのはもったいなく感じます。

 

あとは、白干しの梅に紫蘇の香りと色を付ける為に赤梅酢に浸して待つだけです。

 

赤梅酢とは、白梅酢を赤紫蘇で染めている梅酢のことです。

 

2週間後、梅の酸味はもちろんそのまま、紫蘇の風味も加わった龍神梅の梅干しの完成です!あとは炊き立ての白ごはんに乗せるだけ!という感じです。

 

 

一般的な農家さんでの加工方法

 

一般農家さんの干し上がった梅干し(白干し)ですが、塩分は25~28%となかなか高い数値になっています。

 

味の方も、塩をかじったような塩辛さなので、そのまま食べるのはおすすめできません。

 

ここから味を調えていきます。加工していくのですが、ここから先は農家さん側の工程ではなく、梅干しを買い取った業者側の工程になります。

 

まず初めに「塩抜き」をします。

 

約28%から7%ほどになるまで水などに浸して塩分を落とすのですが、この時、抜けるのは「塩分」だけではなく、梅の成分や味も抜けてしまいます。

 

この加工によって本来の梅のうまみも落ちてしまいます。

 

ここから、塩抜きが終わった梅干しを調味液に浸して、ベースとなる味付けをします。

 

加工に加工を重ねていくイメージですね・・・。

 

加工に使う調味液とは化学薬品?

 

加工に使われる調味液とは、味の付いた化学薬品の液で、防腐剤などが混合されている液体のこと。

 

その次に赤の着色料などで色を染め上げて、最後に、さらに調味液を調合して、味付けの仕上げとなります。

 

最後の味付けの調味液の調合は各社異なるそうです。

 

他ページにも記載がありますが、龍神梅の梅干しは、いろいろな部分が不揃いです。

 

それに対して、化学薬品を使って作る梅干しは、味や塩分、そして色などの見た目まで統一できるという感じです。

 

加工方法によって梅干しのできあがりは大きく変わるのです。

 

仕上がるまでの工程を龍神梅と一般農家さんで比較しましたが、同じ梅干しでも作り方が異なる部分が多くありますね。

 

ちなみにですが、龍神梅の「梅の作り方」は決して特別な作り方ではありません。

 

日本の伝統食である「梅干し」の作り方で作っている、わかりやすく言えば、龍神梅は「昔の作り方そのまま」ということです。

 

➨NEXT「無農薬梅の見た目と触感の特徴」

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