老いも若きも4号|田んぼの合鴨農法

老いも若きも4号|田んぼの合鴨農法

田の草とりは百姓仕事の中でもきつい仕事で、毎年苦労しています。

 

合鴨を飼った年もありました。

 

合鴨は楽しかった。

 

なついて私の後を行列になってよちよちあるくので、近所の評判になり、新聞、雑誌、はてはテレビ局まで取材にみえて報道されましたし、草とりも上手にやってくれました。

 

困るのは田んぼが棚田であちらこちらに散らばっているので、田んぼを案内して私が付きっきりになることです。

 

 

合鴨につきっきり

 

他の仕事は何もできずに合鴨と毎日暮らしたことでした。

 

それに私の言うことはよく聞いてくれましたし、次に夫の言うことも聞きましたけど、ある日少し離れた田んぼに案内するために近所の人に手伝ってもらったら、小屋から出てきて田んぼに行こうとしても、その人の顔を見たとたんにくるりと引き返して小屋に入ってしまって全くいうことを聞かなかったというハプニングがあり、ひょうきんなアイガモたちの意外と神経の細やかな点にびっくりさせられました。

 

その年、50羽の合鴨を飼ったのですが、さて秋になり田んぼの水を切ってからが問題でした。

 

岡にあがった合鴨たちは田んぼで遊んだ楽しい思い出があるものですから、隙を見つけては小屋から飛び出し田んぼに走りました。

 

人がついていないと犬に襲われるやら車にひかれるやらわからないので、まるで幼児を育てているお母さんのように近所の人たちが「かよちゃん、カモさんがまた出あるいているでー」という声を聞くと走って行って小屋に入れてやるのでした。

 

そんなに外に出たいカモさんでしたけど、私が小屋に入っていくとまわりに集まって入口の戸が開け放されていても一羽も出ようとしなかったこと。

 

私のズボンや袖をくちばしで引っ張ってまるでやんちゃ坊主のようでした。

 

そんなに可愛い合鴨さん達でしたけれども、それからの始末に悩みました。

 

始めの計画では立派に育った暁には、民宿や旅館の人達に買ってもらうつもりでした。

 

でもその先のことを考えるとどうしてもそれが出来ず、かといって来年の田んぼには大きなアイガモは使えないのです。

 

小さな苗を水かきのある大きな足でふんづけるので、苗の小さなときは小さな合鴨から始めないといけないのです。

 

 

毎年合鴨をヒナから育てなければならないのです

 

これには困りました。そこで合鴨を飼ってあげようという希望者に進呈して、合鴨は一年きりで終わりました。

 

それからまた、田の草とりは一番草は道具でつき、二番三番は手で田んぼを這って取るきつい労働に戻りました。

 

今年は田んぼに段ボールの再生紙でできた紙マルチをひいて田植えをしました。

 

この効果は未知数です。

 

多分効果はあると思います。

 

紙マルチは四、五十日もすると自然にとけて土になり全く公害もないということでした。

 

難は田植えに手間がかかるということです。

 

今年は初めてでしたので骨が折れました。

 

平成8年5月発行

 

寒川 殖夫・賀代

 

 

 

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