老いも若きも20号|梅の不作

梅干に色をつけるしそは、もちろん無農薬・有機栽培でして春の彼岸ごろ畑にまきます。

 

芽が生えそろった頃、やっと見えるような小さな虫になめたように片っ端からやられて毎年苦労してきました。

 

結局は自生したしその苗を移植するということで事を解決してきたのですが、同じ土なのに自生したしそは虫にやられなくて、蒔いたしそが虫にやられるのはなぜだろうか、と長い間疑問に思ってきました。

 

虫の対策として天恵緑汁といった天然自然の薬をこしらえてやるのですが、虫が発生してしまうと、それは殺虫剤ではないのでお手上げだったわけです。

 

そこで考えた挙句、秋採種しないで自然に落ちるにまかせてみました。

 

秋、自然に落ちたしその種は厳しい寒さに堪えて時期が来たので自力で生えてきました。

 

春とも彼岸とも暦など知らないのにぴったりと計ったように生えてきました。

 

 

まずその自然の力に感動しました

 

毎年あれ程苦労して虫と闘ってきましたのに、これはどういうわけでしょう。

 

自生したしその苗はみんな生き生きとして成長しています。

 

霜やら、雪やらで冬の夜などおそらく氷点下何度、時には何十度になることもあったでしょうに、その寒さに耐えて生き残った種だから、強いのでしょうか。

 

虫にやられるような弱いのはすでに淘汰されているのでしょうか。

 

研究不足でそれがどういうわけなのか、まだわからないままに兎に角今年のしそは順調にすべり出しました。

 

 

今年の梅の作柄

 

今年の梅の作柄は不作でした。

 

今までも不作の年はありましたけれど、今年のように例年の半分以下というのは当センター始まって以来のことであります。

 

無農薬・有機栽培の梅は急に増産出来ないので、こんな事態が起こるということを予想して、当センターでは10年前から卸の新規のお取引をひかえて在庫を増やし続けてきました。

 

ようやく約一年分の販売量を確保できた時点での今年の不作であります。

 

在庫を増やすということは資金を寝させるということで苦しいことなのですが、私どもは金は借りられるけれども無農薬・有機栽培の梅はどこに行っても借りることも買うことも出来ない、という考えで地道に根を張ってきたわけです。

 

お陰で今年のような不作の年であっても龍神梅干し愛好のお客様にご迷惑をおかけしないで済みます。

 

手持ちの梅は白干しでありまして、赤梅酢に漬けて色付けする作業が残っております。

 

幸いしそは豊作ですので心配はいらないのですが、赤梅酢にするための梅酢が大量に必要になってきます。

 

そこで今年の梅漬けでできました梅酢のほとんどを赤づけ用に廻さなくてはならなくなりました。

 

梅酢の販売は個人さんのみ200ccを二本くらいとさせていただき、卸はすべて販売を控えて頂くことになりました。悪しからずご了承下さいますようにお願いいたします。

 

なお、エキス、梅ジュース、梅ジャム、ゆかり等の製品は販売量は十分にありますのでご安心ください。

 

中国から輸入される梅干が日本産のと味も外観も変わりがなく、梅干の輸入が大量に増え続けているということです。

 

農薬の害ということをのぞいても、味や外観に変わりがなくてもそれは身土不二の原則に反する食物ということになります。

 

梅干が健康増進に役立つ、三毒を断つ食物であるという消費者の期待を考えます時に、やはり日本人の食物は日本の国土で栽培されたものを求めるべきでしょう。

 

そして龍神梅は皆様のご期待に必ずや添う食品であるという確信を持っております。

 

今後はさらに梅の栽培に力を入れて天変地異にもあまり堪えないような梅を栽培していかなければならないと責任を感じております。

 

梅の収穫が終わるとお礼肥えをやるのですが、今年は収穫が早くすみましたので早速ボカシ肥料を静岡の川合肥料さんからトラック一車20kg×500袋購入して施肥しました。

 

年により、なたね粕、骨粉、けいふん、カキガラ等変わるわけですが、今年はボカシ肥料を施しました。

 

 

寒川 殖夫・賀代

トップへ戻る