自然農法の獣害対策(4)

猿の被害対策

猿の獣害対策

獣害で最も大変なのは猿です。

 

猿は本当に頭が良いのでいろんな対策をしてもすぐに破ってきます。

 

猿はたけのこの地上に出たものを先に手で折って軟らかいところを食べるのですが、うちのスタッフは、たけのこが地上に出るか、でないかの物を発見できるので良いものが猿にはなかなか取れないようになっています。

 

しかし困るのは来年のために種となるように置いておいたたけのこを手で先を折って食べることです。

 

先っぽが折れたたけのこは成長が止まって枯れてしまうので、種として育ちません。

 

ですからこれも完璧にしようと思えば1本1本網で囲むようにしなければ防げません。

 

他には群れで一気に狙いに来るのは椎茸です。

 

うちの会社では椎茸は裏山の杉林の中にぼた木を置いているので、とことん狙ってきます。

 

最近椎茸は山の中に設置せずハウスで囲ったりしているものも多いのですが、私どもの会社では、裏山にそのまま置いてあるので猿にとっては非常に狙いやすいのです。

 

 

猿の被害対策に一番効果的

 

一番の対策としては林の中にあるぼた木には網で全体を囲い、一部に電柵をしています。

 

椎茸は直射日光があまり当たるとダメなので杉林の中に置いています。

 

その為、木の上から降りてくるのを防ぐのが、 一番厄介です。

 

網を囲う時に木と網の間に少しでも隙間があれば引っ張ってゆるませ、その隙間が少しでも開けば小猿はその隙間から侵入してきます。

 

前に椎茸の被害にあったとき、全部網で囲っている周りで隙間を探し隙間がないので、地面に打ち付けている網を止める杭を、 一番地面が柔らかい水が出ている所を大猿2匹で網を揺らし持ち上げて、その隙間から小猿を入れたのをうちのアルバイトの子が一部始終見ていて驚いていました。

 

そういった猿の優れた行動は驚く事でもなく龍神村で椎茸栽培している方に聞いたのですが、日よけを大きな木で抑えていたら手ごろな丸太を運んできて、てこにして動かして中に入られたことがあるというのを言われました。

 

 

猿との知恵比べ

 

前に一度猿にも効果があるのかと思い、狼の尿を猪と同様に侵入エリアにたくさん仕掛けました。

 

臭いだけでは猿にはバレると思い、狼の遠吠えだけを録音したCDを探して購入し、スピーカーを仕掛けその遠吠えを山に向けて明け方や深夜にランダムに流すということをやってみました。

 

最初は効果があったのですが、効果があったと思っていたら2年目から彼らは少しおかしいなと思ったのか、一度やられたことがあります。

 

被害的には群れできて一面やられたのではなくて、一部偵察隊がきて少し被害が出ただけでしたが、 突破されたのです。

 

この少し被害が出たときにすぐに次の対策をしないと、大きな群れはまず1匹か2匹偵察に来る猿がいて、大丈夫だと確認すると群れが来て一気に壊滅的に椎茸を食べ散らかして帰っていきます。

 

5、6年前まで猿は椎茸も本当に美味しい時に食べていました。

 

どういうことかというと、例えば、朝一椎茸を見に行ってちょうど収穫にベストタイミングだったら少し太陽が上がってから、昼一に収穫しようと思って山を下ります。

 

そして昼一畑に行ったら全部食べられていたというふうに食べ頃を本当にわかっていておいしい状態で食べにきていました。

 

ですから注意するのは収穫のタイミングが近づいてきたら警戒するというふうにしていたのですが、ここ5 、 6年前ぐらいから猿もよほど食べ物がないのかまだ育っていないものや、出たばかりの直径1センチにも満たない椎茸の芽も食べるというより、手でなでて全部ダメにしてしまうというふうになってきました。

 

こういうふうにこれから大きくなるものも全部ダメにするので、被害が大きくなってしまいます。

 

トップへ戻る