無農薬栽培と無農薬梅のメリット
われわれ農家は自然の恵みを授かって生計を立てています。
当然ながら、自然が無ければ、われわれ農家は生きていけません。
自然を生かし、自然の恵みを循環させるには、自然に負担の少ない無農薬栽培が一番です。
農薬や除草剤や害虫駆除剤などの毒物・劇物は、農作物の育成の手間暇、つまり農家の手間暇を軽減しますが、自然にものすごく負担をかけてしまいます。
度が過ぎた農薬等への依存は、場合によっては自然を死に至らしめます。
無農薬栽培の最大のメリットは、自然を生かし、農家を生かすところにあります。
自然が無ければ農家は生きていけない。
私たちはこのことを胸に刻み、お米、たけのこ、しいたけ、なめこ、柚子、そして梅干しに至るまで、すべての農産物を無農薬栽培で育てています。
無農薬栽培と無農薬梅のメリットとは?
無農薬梅の主なメリットを弊社の梅干しを例に具体的に紹介します。
弊社の龍神梅(梅干)は塩分12%(100㎏の梅に対して12㎏の塩)で漬け込みます。
これで薄いカビひとつ付きません。
一般では20%で漬けるのですが、これでも表面にカビが来ます。(これは完熟梅を使用していることも理由の一つです)
弊社の梅農園はすべて無農薬ですが、一部、一般の方の畑と隣接している場所があります。
弊社の無農薬畑と隣接している畑を管理している農家さんには風向きが逆の時に農薬を散布してもらうようにお願いしています。
つまり、弊社の無農薬畑に農薬がかからないよう配慮頂いているのです。
この隣接畑の梅を276項目の残留農薬検査に出しても一切農薬は出てきませんが、昔から、この隣接畑の梅は龍神梅では使用せずに業者さんに引き取ってもらいます。
隣接畑の梅を使って梅干しを漬け込むテストを行ったこともあります。
隣接部分の木3列半分(龍神梅として収穫するのは4列目の逆側から)をテスト的に隔離管理したタンクに隣接畑の梅として12%で同じように漬けこんでみました。
すると、表面に薄くカビが生えてきました。
276項目の残留農薬検査では農薬残留がゼロであったにも関わらずです。
これが農薬の怖いところです。
農薬が残留していなくても、梅の殺菌性や耐菌性に影響が出てしまう、、、
ほんの微量の農薬の影響によって、収穫する梅の品質に差が出てしまうのです。
無農薬梅は健康成分が豊富!!
他にも今販売している梅酒は南高梅ですが、昨年は古城という在来種で梅酒を漬けました。
もちろん、無農薬栽培の梅です。
(ちなみに黒糖梅酒に使用する梅は龍神村殿原の在来種をブレンドしています)
古城梅は他の品種と違い、もともとリンゴ酸が非常に多く含まれていますが、出来上がった梅酒を分析に出したところ、他のメーカーが古城梅を漬けたものと比べて、リンゴ酸の量が約2.3倍、クエン酸の量は約3.5倍といった結果でした。
この分析を勧めてくれた工業博士の先生に本当に驚かれました。
リンゴ酸もこの量は考え難いとのことでした。
農薬栽培と、無農薬栽培による原料の差というのは、製品に含まれる梅の健康成分を全く変えるほどなのです。
他にも無農薬の龍神梅の身体へのメリット効果が良く分かるのは炎天下での農作業などでスパートをかけた時です。
水分をいくら補給しても体のだるさはとれないのですが、梅干を3~5個食べてちょっと休憩すると嘘かと思うほど回復します。
これはけっこう体を追い込まないとわからないのでお勧めできるかどうかわかりませんが、クエン酸サイクルを実感する瞬間です。
無農薬栽培と無農薬食品のメリットは本当にすごいものです。
偽物の無農薬食品に騙されない!!
龍神の無農薬の梅干作りと、一般の梅干し作り方は、全く異なります。
龍神の梅干しは12%の塩分で漬けこんで、干して完成です。
梅のクエン酸と塩分のバランスが絶妙で、昔ながらのすっぱい梅干しに仕上がります。
一般の梅は20%の塩分で漬けたものを原料として梅干しを作ります。
塩分が20%の梅干しは、梅本来のクエン酸よりも塩分の方が勝っていますので、塩っ辛くてそのままでは売り物になりません。
そのため、一度、塩抜き作業をします。
その時に梅干に含まれるクエン酸も抜けてしまいます。ラベルの裏にクエン酸と書かれているのは自然の梅のクエン酸ではなく、食品添加物のクエン酸なのです。
この梅干を暑い夏にいくら食したところで体の疲れや体力の回復にどれだけの効果があるのか疑問に思います。
他の梅干を食べる場合は調味漬けより白干(龍神の製法)をお勧めします。
調味梅は塩抜きした時に梅のクエン酸や塩の持っているミネラルも梅から抜けていきます。
この梅に後付けで色々なものを添加しても梅本来のパワーはないものと同じです。すべての梅が健康にいいと考えるのは早計だと思います。