農作物を守る獣害対策
ここ最近の猿は本当に山に食べ物がないのか、住居地まで出てくることが本当に多くなってきました。
数年前までは必要な物だけ食べて畑を荒らすと言うまでしなかったのですが、ここ数年は食べないものまで引っこ抜いたりするようになりました。
農作物を作っているとすれば、まぁ猿も山に食べるものもないし、もともと人間が植林をしたり、開発したりで住む場所が制限されたから仕方ないなぁと思っていましたが、ここ数年の荒らし方は本当に腹立たしいです。
大根や人参を引っこ抜いても育ったものを数本というだけでなく、これから大きくなる今は食べられないようなものでも荒らしたついでに引っこ抜いたりします。
農作物を守る為に獣害対策は必要不可欠なのです。
本気でこちらも対策しないと生活自体に影響が出てきます。
獣害対策は念には念を!
獣害は私たち人間の想像を超えています。
本当にどこまでわかっているのか、嫁さんが猿が出るのは私が出張中がほとんどだ、といつも言います。
この話を近くの梅農家にすると真剣な顔して、その農家の畑の裏山にも猿が来るらしくてもう人に慣れて農作業していてもすぐに近くまできて農作物をとったりすると言っていました。
しかし近所の猟師さんが猿の駆除で畑の農道を軽トラで入ってくると蜘蛛の子を散らすように逃げていくらしいです。
その畑に行く農家さんが何軒かあって、その人たちが軽トラで入っていても猿は全く動かないそうです。
その方も猿はどうやって農家の軽トラと猟師の軽トラを識別しているのだろう、と不思議がっていました。
うちのスタッフに聞いても、作業中に猿が近づいてきたらその人によって距離の間合いが違うそうです。
こういった風に日々猿と向かい合っていたら、頭の良さに驚かされる事は沢山あります。
獣害対策専門では農作物は守れない
前に補助金で椎茸のぼた木を網で囲った時に、獣害対策の専門の会社が網の設置に来ました。
彼らは平地の畑に設置することはできても山林の中の条件では、設置している作業を見たときに猿の生態をあまり理解していないように思え、途中で断って私とスタッフで全部やったことがあります。
これで対策の会社を経営できるのであれば、ノウハウは私たちの方が相当持っているなと思いました。
都会に事務所のある会社と毎日猿と戦いを続けている我々では本気度が違います。
彼らは設置した後、被害が出たとしてもあまり困らないのでしょうが、こちらは必至です。
ですから、猿に関しての対策のノウハウは日々蓄積されスキルが上がっていきます。
しかし、猿もスキルを上げてくるので本当にいたちごっこです。
例えば過去に使っていた網は固くてしっかりしたものでしたが、現在使っている釣り糸のような絡みやすい物の網の方が猿は嫌がります。
しっかりしたものはひっぱって隙間を探すなど、いろいろ試すのですが、釣り糸のように絡むものは非常に嫌がります。
こういった網を垂らしておけば、裾を杭などで止めなくても猿は入ってきません。
こういった網を使うことによってコストの削減もできるのです。
猿の獣害対策は進化し続ける
それと1番に思う事は、猿は他の動物と違って単調に同じことを繰り返すと、必ず隙を見つけてくるということです。
ですから、金網などで全く入れない設備をしない限りは何度も偵察にきてその隙を探すのです。
ですから、こちらとしても常に変化をつけていけば猿は警戒して近寄らなくなります。
しかし猿も進化もするし、やはり食べ物がないと必死で農作物を取りに来ます。
前に椎茸のぼた木を囲うのに有刺鉄線を張っていた事があります。
それでも被害が出たのでどこから入ったのかと探ると、 1カ所有刺鉄線に猿の毛や血がついていた事もあります。
ですから、彼らも命がけで農作物を奪いにきているのです。
猿も進化を続けるように、わたしたちも常に新しい対策を考え続けていく必要があります。
しかも、彼らは24時間そのことを考えていればいいのですが、私たちは24時間獣害対策のことを考えているわけではないので、なかなか大変です。