無農薬・無添加の梅干しの特長|黒い斑点

 

龍神の梅干しをご愛用くださっているお客様から、稀に「いつも購入している梅干しよりも黒い斑点が多い」とのご意見を頂戴することがあります。

 

お手数ながら弊社にその梅干しを送って頂き、内容を確認したところ、確かにいつもより黒い斑点が多い感じを受けましたが、規格の範囲内と判断し、お客様にその旨、お伝えし、ご理解頂きました。

 

梅干しに点在する黒い斑点は、黒星病、或いはスス病という症状で、青梅の表面に本当にススのような黒いカビが生えて、梅の見た目を非常に悪くする病気です。

 

昨年で言えば、梅の収穫時期に非常に雨が多く、梅の実にスス病という病気が大量発生しました。先に説明した通り、スス病とは青梅の表面に黒っぽい斑点がついてしまう病気です。

 

このスス病対策として一般の梅農家が行う出荷前の処理方法は「次亜塩素酸ナトリウム溶液を使用した漂泊洗浄」です。

 

次亜塩素酸ナトリウム溶液で漂泊洗浄すると、梅の実は黒い斑点がついていても、ピカピカになります。

 

病気と云われていますが、一種の自然作用の症状のようなものですので、水で洗い流せば身体に害もなく、梅干しの品質にも悪い影響を与えません。

 

無農薬・無添加で作っている梅干しであれば黒い斑点がつくのは致し方ないことです。

 

梅干しは、収穫した梅が、そのままお客様の口に入る食品です。

 

弊社は本当に自然のままの梅の素晴らしさを引き出すのに、最高の形で梅干し作りに取り組んでいると自負しております。

 

 

無農薬・無添加の梅干しの製法裏ばなし

 

弊社の梅農園は、他社の有機JASや無農薬と違って、一度も畑に化学物質を入れた事がありません。

 

私どもは、品質向上を目的に、他の無農薬や有機農法の農家さんを視察に行ったりしますが、殆どは許容範囲内で化学物質を使った農法を採用しています。

 

視察のたびに、弊社のような無農薬農法や加工方法を採用しているところが見当たらず、いつも驚いてしまいます。

 

地元は梅の産地で、梅関係の仕事に従事している方が沢山いますが、その方々から、耳を疑う驚くような話を聞く事があります。

 

今までも当たり前のように多くの農家さんが、暗黙裡に次亜塩素酸ナトリウム溶液による漂泊洗浄を行っており、つい最近まで、その廃液がそのまま川に流されていました。

 

恐らく、その影響と思われますが、2012年6月頃、地元を流れる川で魚の大量死が発生しました。

 

地元の新聞にも掲載されましたが事実関係がはっきりせず、その後はうやむやになってしまいました。

 

次亜塩素酸ナトリウムとは、ご存じカビキラーやハイターの主成分です。

 

収穫した実をそのまま口に入れる作物は、農薬はもちろん、劇薬、添加物は極力使わない方が畑や作物のため、強いては人体の健康のためです。

 

梅干しだけではありません。

 

収穫した実をそのまま口に入れる加工品であるワインやオリーブオイル、ジャムなども有機無農薬栽培の作物で、劇薬や添加物に頼っていないものを選んだ方が身のためです。

 

分かる人は分かる「無農薬・無添加の梅干し」

 

わたしが、とある東京のミシュラン2つ星の和食のお店の大将に青梅を送った後、こんな反応がありました。

 

「寒川さんに送ってもらった梅が黒ずんでいるのが気になって、実は築地で最高品質の南高梅を購入したんだ。それで、寒川さんの梅と築地で買った梅をそれぞれ鍋で煮ていたら、今までは普通に買ってきた梅でも気にならなかったんだけど、築地で買った梅の湯気から薬品の臭いがするんだ。どうして?」

 

私は、「実は、その梅は次亜塩素酸ナトリウムの溶液で漂泊洗浄しているからですよ」と即答しました。

 

大将は即座に、「本当だ。ハイターの臭いだ」とおっしゃっていました。

 

大将は続けて、「それと、驚いたのは青梅を甘く煮たデザートを作ったんだけど、寒川さんところの梅と買ってきた梅の火の通り方が全く違うんだ。寒川さんところの梅は、表面から種の部分まで全く同じように火が通ったんだけど、買ってきた梅は一定に軟らかくならないんだ。いやー、無農薬の梅とこんなに違いがあるとは知らなかった」

 

とおっしゃって頂き、生産者冥利に尽きるとはこの事だなぁと感激致しました。

 

2013年から次亜塩素酸ナトリウムについては、JAや有機JASでも梅や野菜に使用してもよい事になりました。(しかも、表示義務はありませんので消費者は知るよしもなしです)

 

消費者の綺麗モノ好きが、このようなところまで影響を及ぼしているのです。

 

 

ホンモノの無農薬・無添加の梅干しとは?

 

私が所属している地元のソフトボールチームの13名中6名が梅関係の仕事をしています。

 

その中の一人が、「コンビニなどからクレームがきたら大変だ」という話をしていました。

 

例えば、「今回のロットの梅の色が悪い。梅の色の鮮やかさが足りない」というクレームが来たとします。

 

そうすると、メーカーはそれ以上の赤色色素をたくさん入れるんだそうです。

 

「そんな事をしたら成分が変わるんじゃない?」と質問すると、「中和剤を入れるんだ」と答えた後、「調味作業をやっている従業員は誰もうちの会社の製品を食べないよ」と言っていました。

 

こんな話は本当に氷山の一角です。

 

地元ですから、これ以外にも知っている不都合な真実はたくさんあります。

 

他のメーカーさんを否定している訳ではありませんが、「売上げの為に、お客さんに分からなければ何でもいい」といった方針を掲げている会社は沢山あります。

 

食品の世界は法整備が曖昧で、栽培収穫~加工販売までの情報が正しく伝わらず、どんな会社でどんな製品を作っているのか、消費者の方々に本当の事がなかなか伝わらない面があります。

 

最近は、あまりにも情報が氾濫する中、本物とは何か?無農薬作物とは何か?など余計に分かりづらい状況になってきているような気がします。

 

私たちは、自然の負担になる農薬や薬品は使わずに、無農薬にこだわった自然農法を守っています。

 

自然作物の食品加工方法も極力手仕事をいとわず、余計なものを一切使わない自然食品作りを守っています。

 

日本の伝統食である梅干しを守り続けていきます。

 

本物って何だっけ?

 

そう思ったら是非、龍神村に遊びにお越しください。

 

山の斜面に広がる梅の木や田園風景を眺めるだけで、あぁ、本物ってこれだなって、思って頂けると思います。

 

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