青梅の収穫方法とタイミング
龍神梅の青梅の収穫方法について話していきましょう。
皆さんは青梅の収穫と聞くと、「収穫用ネットが梅畑一面に広がっていて、ネットの上で梅をかき集めている。」という景色を思い浮かべるかと思います。
現在ではほとんどの梅農家さんがこの方法で収穫していると思いますが、龍神梅では「手取り」という文字通り手でもぎ取る方法で収穫しています!
この違いについて説明していきましょう。
まず龍神梅の収穫のタイミングについてですが、龍神梅では木に梅がついたままのまだ若い、熟し始める手前の青梅を収穫します。
熟していない青梅は落ちてこないので、手でもぎ取る必要があります。
ここで「どうしてそんなに早く収穫してしまうの?」や「若い青梅を塩漬けするって聞いたことないけど?」と疑問に思う方もいるかもしれません。(梅干しの漬込み方法はこちら)
青梅を収穫するのが重要!
この若い青梅を収穫するというところに龍神梅の梅干しのパワーになるポイントがあります。
それは「若い青梅が非常に強い酸」を持っているというところです。
龍神梅の梅干しは、この青梅自身の酸をそのまま梅干しにする為に若い青梅を収穫します。
これを私たちは「青取り」と呼びます。龍神梅では「青取り」の梅にこだわっており、完熟梅の収穫は行っておりません。
それぞれの木の梅の状況を見ながら、完熟するまでに全ての青梅の収穫を終える、という逆算をしながら収穫していきます。
青梅の収穫作業は体力勝負です。
大体で結構ですので作業風景をイメージしてもらいたいのですが、肩からカゴをぶら下げて、直接梅の木に登って採ったり、道具を使って梅の木の高い所まで登って採ったり、という感じで梅を集めながら、コンテナや収穫袋に入れて会社まで搬送していきます。
この説明を聞いて浮かんだ皆さんの「龍神梅の収穫」のイメージはどのような感じでしょう?
言葉で説明するのは簡単なのですが、この収穫作業、「激しんどい」んです(笑)。
青梅の収穫方法は昔のままで
早朝から、とにかく早くその日に収穫する青梅を採っていかなければならないので、急斜面の梅畑で走りっぱなし、集めた梅を運びっぱなし、というすごい収穫現場になっています。
大変な作業ですが、これも龍神梅の梅干し作りには大事なポイントなのです。
毎日体力を消耗するので、しっかり体調管理をしながら梅の収穫をしています。
少しでも伝わればうれしいです(笑)。
龍神梅には契約農家という梅農家さん(全て和歌山県内)がいますが、栽培方法や収穫方法は全て龍神梅と同じ方法で作業してもらっています。
次に、なぜ完熟して自然落下した梅を収穫しないのかというところですが、まず、落ちている梅にはケシキスイという虫が入り込んでしまう恐れがあることと、完熟した梅は酸が弱くなってきていて、高塩度で漬込まなければならないからです。
先ほど話しました「酸が弱くなってきている梅」では龍神梅の梅干しは作れないので、完熟させて落とすわけにはいかないのです。
この収穫方法ですが、龍神梅の収穫方法が「他の梅農家さんとは違う」のではありません。
自然落下した完熟梅を拾い集める方が梅にとって、「新しい時代の収穫方法」なのです。
この新たな収穫方法は、食べ物の味や色の調整ができたり、腐らないようにできるなどの食品加工技術の進化が生み出したものです。
ようするに、龍神梅の収穫方法は「昔のまま」なんですね。