龍神自然食品センターの成り立ち・龍神梅
梅干し1粒に込められた、信念30年分
昔から「梅は三毒を断ち、その日の難逃れ」と言って、朝梅干しを食べておくとその日は病気にもかからないし、災難を免れるということで、梅干しは日本人の食生活の中で、重要な役割を果たしてきました。
今でもほとんどのご家庭で、梅干しは常備されているのではないでしょうか?
しかし、日本人になくてはならないこの梅干しは、昔とはその中味が大きく変わってきています。
龍神梅の梅干しは本物
農薬をかけて美しい青梅を作り、化学肥料を与えて梅を太らし、調味料や添加物で味付けし、機械で一気に乾燥させた、見た目も美しく、塩分の少ないまろやかな味の梅干しが、今、高級な梅干しとしてもてはやされるようになっています。
でも、これは本来の梅干しの姿ではないと、30年前からずっと訴え続けてきました。
「龍神梅」、ご存じない方も多いと思いますが、毎年50トン以上生産され、「龍神梅でなくてはならぬ。」という熱烈なファンの方たちの元へ引き取られていく、知る人ぞ知る梅干しなのです。
「健康のためと、みんなが信じて食べる梅干に、農薬や添加物なんて、これは犯罪だよ。」
「酸っぱくてこそ、梅干。甘い梅干じゃ、ダメなんだ。」
龍神梅では、30年以上前から、化学肥料・化学農薬を使用しない自然農法で梅を栽培し続けてきました。
その梅を天日塩としそだけでつけ込み、天日干しで仕上げて作る「龍神梅」は、昔ながらの素朴な酸っぱい梅干し。
市販されている梅干の大半は、着色料、アミノ酸などの調味料、甘味料などの添加物を加えているものがほとんどです。
健康にいいはずの梅干に、有害なものを入れるなんて、同じ生産者として許せない・・・と私達は思っています。
梅干しの命はクエン酸
梅干し独特の「酸っぱさ」が血液をアルカリ性に浄化し、疲労回復、老化防止に役立ちます。
しかし、最近人気があるのは、かつお梅やはちみつ梅などの、甘い食べやすい梅干です。
でも、本当は、梅干しは酸っぱくなければ、梅干の薬効は期待できないのです。
30年間広告も一切しないできましたが、「龍神梅」のことは口コミでどんどん広がり、全国新聞や数々の著名雑誌等の取材、掲載していただくまでになりました。
また、「寒川さんのもとで学びたい。」と松下政経塾の塾生さんが研修に訪れたり、鬱病、拒食症などで、少し元気のなくなったお子さんを連れて、ご家族の方が訪れたりもします。
取り立てて何を教えるというわけではなく、梅山や工場の作業の手伝いを一生懸命汗水たらしてすることで、皆、心も体も元気になって帰っていきます。
「龍神自然食品センター」には「龍神梅」の広告・宣伝を担当する人もいません。
私は朝から晩まで、たいてい梅山に出ているか、協力農家の元へ足を運んでいます。
しかし、それでも、「龍神梅」のことは多くの方に伝わっていきます。
「買いにいらっしゃった方に、『在庫がありません』では申し訳ない。」と無農薬で青梅を生産してくれる協力農家をつのるため、1日も休まるときがありません。
「本当に良い梅干を作る」。私の神経は、「梅干し作り」1点に集中しており、他のことを考える余裕がありませんでした。
今は、梅の木も1600本栽培しています。
この梅の木を鹿の食害から守るのも大変です。
米も野菜も作っていますし、梅干の着色をするしそも約3反作っています。
数キロ、数十キロの生産農家がありますから、おつきあいをしている梅農家が百戸以上あります。
梅の生産農家は零細農家、兼業農家ですから、粒ぞろいの、きれいな梅はありません。
梅干にする梅だけを買いますと、捨てる梅がたくさん出て、生産意欲が少なくなります。
梅は全量引き取らないといけないわけで、そうするとジュースやエキスも作らなくてはいけないわけで、加工も何品目ということになります。
走り回っている生活ですから、考えてから動くのではなくて、走りながら時折考えるという生活です。
資金もありませんし、才覚もありません。
研究者を雇うことなど、考えたこともありません。
ただ、私は、伝統を守って、純粋なものを作り続けていくだけです。
平成18年7月吉日
創業者 寒川 植夫・賀代