龍神食品センターのスタッフ紹介

龍神食品センターのスタッフ紹介

龍神自然食品センターのスタッフ紹介

朝間 雄太

 

 

現在の龍神梅の製造の中心は朝間君というスタッフです。

 

彼も10年近く働くのですが、非常に几帳面な性格で、綺麗好きなので品質管理などの仕事がとても合っています。

 

慎重な性格なので、一つ一つの事をきちんと確認し、丁寧にこなしていくので一度にたくさんの仕事をやるタイプではないのですが、引き受けた仕事はほとんどミスなく完璧に仕上げていきます。

 

西野君とは真逆のタイプなので、この2人が中心となってやっているのでタイプの違いが仕事にうまく結びついている気がします。

 

朝間君の性格で面白いエピソードがあります。

 

彼は若い頃から尋常じゃないぐらいお肉が好きで、定食のサラダや煮物等を残してメインのお肉しか食べない位、極端な食事をとっていました。

 

体もでかいのでその時はやや太り気味で、若いのに年配のおっさんみたいな体をしていました。

 

その彼が突然痛風になったのです。

 

私たちも食生活の偏りを注意していたのですが、若くて健康なのであまり耳を貸しませんでしたが、痛風になって薬に頼るのも嫌だから食べ物で治すと、決めたら徹底的な食事の管理をし始めたのです。

 

すると、お医者さんも驚くぐらい僅かに3ヶ月で数値が劇的に普通に戻ったそうです。

 

その時の彼の徹底ぶりは凄まじく、会社での食事会など、今までは1番焼肉が好きだったのに、焼肉屋さんでも野菜と肉無しのおなべ等しか食べなくなったのです。

 

それを見て、私は「もうちょっとバランスを考えろ、極端すぎる」と言ったりしました。

 

彼は短期間で自分の体調と食事のバランスを完璧に作り出し、今では全くの健康体になっています。

 

ここで良かったのは、彼が食というのは本当に人間の身体にとって1番大切なことで、食べ物を変えることによって、これだけ劇的に身体が変化するんだということをしっかり学んだということです。

 

私の周りにも年齢的にいろいろな病気を抱えた人がいますが、ちゃんとした食生活をすればすぐに彼のように健康を取り戻すことができます。

 

薬に頼ったり、なかなか数値が戻らない人の食事を見ていたら、改善がものすごく中途半端に見えてしまいます。

 

やるなら朝間君のように徹底すると作られる血液や細胞が食事によって正常なものに変わっていくのが自分で実感します。

 

この経験をしてから、彼は食べ物に関する理解が深くなり、モノ作りにもますます真剣に取り組むようになりました。

 

この性格は仕事にも生かされ、彼は製造過程にある梅をつけているタンクや梅酢のタンクなど、毎朝目視や香りをすべてチェックしています。

 

当たり前の事のようなのですが、毎日欠かさず、しかも流れ作業の中でやるのではなく、集中して少しの変化も見逃さないように徹底しています。

 

彼の管理エリアではそういった商品の問題が起こる事はまず無いのです。

 

まさに製造や品質管理は彼にはぴったりの仕事だと思っています。

 

こういう風に何年か一緒に働いていると得意なところが少しずつ分かってくるので、会社もそのスタッフに合った仕事を考えることができるようになっていくのです。

 

彼も真面目すぎるぐらい、真面目で誠実なので会社にとっては本当にありがたいことです。

 

これからの龍神梅はおそらく西野君と朝間君の2人が中心となって、より良いモノ作りに取り組んでいけると思っています。

 

 

 

 

西野 有輝

 

 

西野君は梅で有名なみなべ町の出身で、実家も梅農家です。

 

ですから、もともと農作業はやっていたので、そういった意味では農業するということに違和感はなかったようなのですが、栽培方法や農業に対する考え方があまりにも違っていたので、最初は戸惑っていました。

 

今ではほとんどの農作業や農作物の管理、種まきから収穫までを行っています。

 

彼は畑や山に入ると本当に生き生きしていて楽しそうに仕事しているので、見ていたら常に農業に対する愛や会社に対しての愛が伝わってきます。

 

身体も非常にタフで炎天下の草刈りなどは、ここ数年の気温など考えたらあまり無理をしない方がいいと思うのですが、彼は炎天下でも黙々と言うよりはガンガン草を刈っていきます。

 

理屈より感覚で働くタイプなので、本人は無理をしているつもりはないのでしょうが、ここ最近の真夏の気温を考えると少し心配になってきます。

 

私は農作業するときは、夏なら4時過ぎから8時過ぎぐらいまでの涼しい間に作業します。

 

会社の営業時間を4時からと言うわけにはいかないので、どうしても昼間の作業をしなくてはいけないのは仕方ありませんが、彼は炎天下であろうが、雨であろうが、どんな自然条件の中でも楽しそうに農作業しています。

 

時々うちの会社に雑誌などの取材の方がいらっしゃるのですが、ほとんどの場合、農作業写真は西野君の写真を使います。

 

前にも雑誌の記事で、かなり大掛かりな撮影をした時がありました。

 

プロカメラマンが来て、梅の収穫時期にその作業風景を1日がかりで撮影した時も人気がありました。

 

丁度その時、少し前からアルバイトに来ていた方がいて、取材のインタビューに一所懸命答えたり畑の収穫の写真をこのような写真はどうですかと、提案しながらカメラマンに写真を撮らせていました。

 

実際に雑誌の記事になったときは4ページぐらいの長い記事だったのですが、彼の写真もコメントも一切使っていませんでした。

 

その彼よりは控えめに喋っていたり、作業していた西野君の写真とコメントだけでした。

 

その写真を撮影に来ていた雑誌の編集者の方とお話したら、「西野君はスーツ着て営業したらアンバランスな感じがすると思うのですが、畑の中でしゃべるとすごく説得力もあり、農業や会社への愛が伝わってくるので本当に素敵なスタッフさんですね」と言われたことがありました。

 

やはりプロの方がレンズを通じて見るものは本物だと伝わるのだなと感心させられたものです。

 

それに彼は実家の梅畑での梅作りというのを熟知しているので、会社の梅作りとの違いなども詳しくて、非常に説得力があります。

 

彼は昼の休憩や炎天下で働いている時に、常に梅を食べて龍神梅のクエン酸サイクルを実感しながら、「もう龍神梅を食べたら他の梅が食べられない」と口癖のように言います。

 

やはり自分が一般的な農業や梅干し作りをやってきたからこそ、龍神梅との違いや、その価値を理解し、このやり方を引き継いで未来へ残そうという思いが常に伝わってきます。

 

西野君もまだまだ若いので荒削りな部分がたくさんあるのですが、彼も地道な努力を惜しまず誠実で嘘のつけない性格なので、本当に農業には向いていると思っています。

 

なかなか当社は個性的で楽しいスタッフ揃いなので、物作りも楽しく取り組んでいけるのです。

 

 

 

 

殿村 紅一郎

 

昨年の暮から紅一郎君という26歳の男の子がうちの会社で働きたいと言って就職しました。

 

紅一郎君は川崎のレストランで働いていた料理人です。

 

和歌山県の出身で地元に帰ってきたいということで、去年川崎のレストランを退職し、出身地の白浜町に帰ってきました。

 

彼がどうしてうちの会社を知ったかというと、白浜町にある料理屋さんが紹介してくれました。

 

その料理屋さんは龍神梅や龍神梅酒を使ってくれていて、私も時々お世話になっているお店なのです。

 

そこの大将から、一人前になるためには料理の修行ばかりするのではなく、職に携わる農業や食品づくりを経験するのも大切なので、寒川さんのところで色々な経験を積ませてやってほしいと言われました。

 

大将と相談し、週末の金曜日、土曜日は大将のお店で修行し、月曜日から木曜日の4日間は農業のお手伝いをすることになりました。

 

最初働きだして衝撃的だったのは、水をまいた後のホースリールを巻きとることができないということを、うちのベテランスタッフに聞いたからです。

 

一体どういうことかというと、伸びたホースを巻き取りのリールの近くに運んできて巻きとろうとするので、別のスタッフが「伸ばしきった状態で巻くと綺麗に巻けるよ」と言うと、一度伸ばしきったホースをまた抱きかかえてリールの近くによせて絡ませていたらしいのです。

 

それを聞いたとき、大将が料理の修行をするばかりではなく、いろんな経験を積むことが大切だと言った意味が理解できました。

 

最初はすべてにおいて衝撃的なミスの連発でした。

 

あの衝撃的なミスのエピソードを文字にすると原稿用紙100枚あっても足らない位のおもしろエピソードがたくさんあります。

 

一時期はうちの会社で一人前にすることや、少しでも外で働けるようになるにはどうしたらいいか、大将と相談しながらいろいろ考えてみました。

 

彼の得意なところを探そうと思い、いろいろ探ってみたら、彼はとにかく料理が好きで常に一流料理人になりたいと言います。

 

大将の下で週2回働いても、もちろんのことですがなかなか料理はさせてもらえません。

 

ですから、うちの会社で月2回ぐらい、彼が他のスタッフに料理を振る舞うことにしました。

 

これも最初のうちはすごく大変でした。

 

前に働いていたレストランはイタリアンだというので、パスタを作らせたり、彼の得意な料理などを作らせてみたのですが、食べるスタッフの人数が10人などの大人数になると、調味料の分量がわからないらしく、塩辛かったりうすくて食べられなかったり、とレシピがないと全く料理が出来ませんでした。

 

働いていたレストランとかでは、レシピが決まっていたのでできたのですが、レシピがないと全く同じ料理ができないタイプなのです。

 

他には地元の新鮮な釜揚げしらすを使ったパスタを作った時に、アンチョビのソースを使って、せっかそのまま食べても美味しいしらすを生臭くして、うちのスタッフに呆れられたことがあります。

 

その生臭い味を非常に好む傾向があるので、もしやと思い一度耳鼻科へ検査に行かせました。

 

そしたら日常生活に支障はないけど、味覚、嗅覚ともに一般の人よりは落ちるということがわかりました。

 

最近の子には味覚障害が多い話をしたことがありますが、その結果を聞いてその話を思い出しました。

 

しかし、彼はめげることなく一流料理人になりたいとはっきりとした目標がぶれる事は無かったのです。

 

ここまで来てもぶれない紅一郎君を見たときに、どうやって一流料理人にするかということを前向きに、しかも真剣に考えて行くことにしました。

 

それは彼が不器用ですが仕事ぶりは誠実で手を抜かないということを、日ごろから見ていたからです。

 

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