赤紫蘇の色彩と香りを活かす収穫方法

 

いろいろな苦労を経て、待ちに待った赤紫蘇の収穫です。

 

毎年最初の収穫前に感じるのが、畑一面が綺麗な赤紫蘇で染まっていて景色が美しいこと、見ていると収穫するのがもったいないと思うぐらい見惚れてしまいます!

 

感動した後は収穫です。

 

龍神梅の梅干しを作る中で欠かせない大事な紫蘇なので、人の手で丁寧に紫蘇を収穫していきます。

 

一般的には機械を使って収穫するのが多いのですが、龍神梅では葉を一枚一枚丁寧に手摘みで摘んでいきます。

 

機械刈りよりも紫蘇の葉だけを収穫していく事により、仕上がりの色や香りなど品質が大きく変わります。

 

以前は自社でも茶を収穫する機械を工夫して紫蘇を収穫していましたが、やはり機械刈りだと、どうしても余計な茎や軸が沢山入ってしまい、品質の向上が見込めないので、手摘みで収穫するようになりました。

 

非常に手間暇がかかり人数も必要ですが、大事なのです。

 

 

赤紫蘇の手摘み収穫方法

 

紫蘇は日の光が当りやすい上の部分の葉から大きさ、香り、色が良く、日が当たらない部分は色も青く収穫には少し早いものが出ています。

 

まず初めに一番上に出ている四つの葉を摘みます。

 

この一番上の頭を摘んでやることで、紫蘇はもっと背を高くしようと育ちます。

 

その背が高く育って行く途中、軸の枝分れも増えて新たな若葉が出る箇所も沢山増えてくるので、収量UPに繋がります。

 

あとは、上から順に大きく育った紫蘇の葉を採り忘れがないように丁寧に摘んで行きます。

 

注意するポイントとしては、まだ青く小さな若葉は採らずに残しておくということ。

 

若葉を残し大きい葉を採り終わると、懐にしっかり日の光が差し込むようになり、若葉もどんどん成長してくれるようになります。

 

大きい葉を摘むと次の小さい葉が大きく育ちそれを摘むの繰り返しです。

 

天候にもよりますが、一回目の収穫から大体2週間後くらいに若葉だった葉が収穫できるくらいまで成長してくれています。

 

これを3周ほどします。

 

お盆が過ぎて朝方が少し涼しくなって来た頃に、紫蘇は種を残す為に花を咲かせます。

 

この時は花を咲かせる方に栄養が流れて行くので、葉の質は落ちてしまいます。そこまでが勝負です。

 

 

摘んだ赤紫蘇の処理

 

収穫後の紫蘇は灰汁を抜かなければなりません。まず、紫蘇を水の入ったオケに入れて水洗いしていきます。

 

このときに水洗いは流れ作業で2回していき、洗った紫蘇の水を切って塩で揉んでいきます。

 

ここからが龍神梅の赤梅酢を作る重要な作業なのです。

 

龍神梅では紫蘇16㎏に対し塩を2㎏入れて混ぜています。

 

ここでしっかり混ぜないと、混ざっている部分と混ざっていない部分で灰汁の抜け具合に差が出てしまいます。

 

混ぜたら灰汁抜き用の長靴に履きかえて踏んでいきます。

 

これが最重要作業なのです!

 

ただ踏むだけだと紫蘇と紫蘇が引っ付いて表面だけしか踏めていないのでバラバラにさばくのが重要なのです。

 

さばきながら踏むことで灰汁抜きも均等にできるのです。

 

踏み続けていると、紫蘇の香りが変わってきます。香りに変化が現れたときには、紫蘇の葉の繊維も柔らかくなり、仕上がりのタイミングを教えてくれる非常に大切なポイントになるのです。

 

赤紫蘇の品質は天候が重要

 

雨に恵まれ畑の土に十分な水分がある時の紫蘇と、晴れが続き畑の土が乾燥している時の紫蘇では、質にものすごく差が出てしまいます。

 

水分が豊富な時の紫蘇は柔らかく、香りが非常に良く色も濃く綺麗な色を出してくれて、灰汁もスムーズに抜けます。

 

ですが、乾燥している紫蘇の葉は硬く香りが弱く色も薄くて灰汁が抜けにくい、というくらい差が激しいのです。

 

晴れが続く場合、畑を乾燥させない為にどうしようか…、という事を毎年、毎日考えています。

 

灰汁抜きが終わった紫蘇はネットに入れて梅酢に漬け込み、揉みほぐして漬け置いて完成です。

 

本当に種まきから収穫まで害虫の被害や天候などに耐えてついにここまできたな!という気持ちと、今年も良く出来た!と、毎年心の底から感動します。

 

➨NEXT「赤紫蘇の種の自家採取・種子の保存」

 

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