紫蘇の発芽までの準備と発芽後の手入れ
龍神梅での紫蘇の無農薬栽培は、自社の仕事の中で一番難しく、一番悩まされ、一番苦労する仕事なのです。
苗の時期に虫に食べられたり、苗を作り直したり、植え直しの手間がかかったり、成長が早くできなかったりと、手間と労力が非常にかかります。
種蒔きをしてから、発芽するまでが紫蘇作りの大事なポイントとなってきます。
そんな龍神梅の紫蘇の無農薬栽培方法についてお話していきたいと思います。
まずは、紫蘇を発芽させる土台となる畝の準備です。
畝は雨が降った時に土が雨水で浸ってしまわないように、15㎝くらいの高さで作っています。
この畝作りは、できる限り種蒔きをする寸前に耕うんしたての土で畝を作ります。
そうしておかないと、耕うんして何日間か経っている畑では、すでに雑草が生えてくる準備が整っている状態なので、そんな畑に種を蒔いたとしても、先に雑草が畝一面を覆い、紫蘇が雑草に抑え込まれて発芽できないという事態になってしまうからです。(畑の耕うん、土作りについては別ページ)
紫蘇の種を準備
蒔く種は、昨年の自社の紫蘇畑から自家採取種した赤紫蘇の種を使います。
種を蒔くのは3月の春先、冬の冷たさが弱まり、少し暖かさを感じ出す頃。
まず、種蒔きをする前日に種を常温の水に浸しておき、種に水分を含ませます。
保管中の種は乾燥させてあるため、そのまま蒔いた場合、発芽のタイミングがばらつき、発芽が遅くなるという事になってしまいます。
紫蘇の発芽が遅くなってしまうと、先に雑草の方が勢いよく出てきてしまい、紫蘇が育つのを邪魔してくるので、そうならないように水分を含ませてあげるのです。
こうする事によって、発芽しやすくなり、発芽のタイミングも早まって雑草が目立ってくる前に紫蘇が生えそろってくれます。
これを蒔いて行くのですが、蒔き方は決まっておらず、毎年いろいろな方法を試しながら、どういう風にすれば最も紫蘇にとって良いのかを、未だに勉強しながら種を蒔いています。
この苗を育てる為に種を蒔いた畑の事を私達は「苗床(なえどこ)」と呼び、毎年大体ですが10m×30m分くらいの広さの畑を苗床にします。
種蒔き作業はこれで終了です。
畑が広いので作業上の苦労はありますが、種を蒔き終わった時からが本当の苦労の始まりです。
種蒔きをしてから発芽までは、天候も左右されます。
特に雨量によって紫蘇の成長も変わってくるので、水の量を調整しながら大切に育てていきます。
発芽してからは雑草も要注意
紫蘇の方が早いスタートを切っていて勢いがあるので、雑草の勢いは、それほど強くありません。
ですが放置してしまうとすぐに肥大してしまい、簡単に紫蘇畑から雑草畑になってしまうのが雑草の怖い所です。
当然見つけ次第抜くのですが、抜き方にもコツがあります。
ただ雑草の葉を摘まんで引き抜くだけでは、根の部分が土の中に残ってしまい、残った根からまた再生して生えてくるというのを繰り返してしまいます。
なので、抜く時は雑草の根本をグッと強く摘まんでゆっくり引き抜きます。
そうすると細かい根まで、根こそぎ抜くことができるのです。
そうこうしている間にも1週間、2週間と経つにつれて、丸く可愛らしかった若葉もだんだんと先の方が、ツンと尖った紫蘇の葉の形になってきて、一番初めの2枚の葉の真ん中から、2番目の葉が2枚出て来て、パッと見たときに紫蘇だと分かるくらいにまで育ってくれています。