食品の安全安心への取り組み
最近の食品業界も色々なことがものすごく早いスピードで移り変わっているように思います。
一時食品の偽装がよく新聞やニュースで報道されていましたが、今の食品メーカーは本当に大変です。
何年か前に中国地方のたけのこの水煮を製造しているメーカーが中国産のたけのこを国産だと偽ったとされTVのインタビューに答えていましたが、その時会社の社長は「知らなかった」と言ってマスコミに徹底的に叩かれていました。
本当に知っていたか知らなかったかは本人でないと分かりませんが、前は最終加工地でよかったものが、原材料、原産地に変わったのもごく数年前のことです。
こういった食品に関する問題は頻繁に取り上げられ、安全安心について議論されているように思います。
食品表示ラベルと安全安心
こんなニュースが流れると、うちの表示は大丈夫か?と思い2008年にラベルを持って保健所に行きました。
すると色々な不適切な表示がありました。
例えば、「無農薬有機栽培」はJASをやめたのでもちろん駄目。
これはうちが一切の農薬を使用せず安全安心の農作物を作っているにもかかわらずです。
それに、「一切」と言う表現は不適切と言われ、当時おふくろがエキスなどに貼っていた『いのちのもと』と言ったものも科学的根拠がないと言われました。
うちの商品に使っている砂糖は奄美大島喜界島のさとうきびのみを使っていますが、これに『ミネラル豊富』は何と比較してミネラルが多いのか科学的に証明出来るものを添付しなければと言われ、『天然』や『自然』も不適切と言われ、ラベルの変更を余儀なくされました。
前のラベルの時に近畿の農政局と相談していたにもかかわらずです。
こう言った経緯で商品の中身や製造方法は変わっていないのに、前に使っていたラベルがたくさんあるにもかかわらず、2008年の11月より新しいラベルとなった訳です。
これだけのスピードで食品衛生法などが変わるのにメーカーには何の通達もありません。
食品表示ラベルは本来、消費者にとって安全安心を確認する情報j源でもあるのに、本当に伝えたい情報が表現できないのは残念でなりません。
食品衛生法で食品の安全安心は守られている?
食品の表示などの変更をどうやって調べていいのか聞くと、「月一回東京保健所のホームページをチェックしたらいいよ」とのことでした。
もしそれで一ヶ月後に変わっていれば、また変更しなくてはいけないとのことです。
安全安心を完璧に求め続けるには、チェックを怠らずその度に変更しなければならないのでしょうか。
ニュースでやっていた、たけのこ屋さんは表示の方法が変更していたのをホームページでチェックして即座に理解していたのでしょうか?
私どもの会社も知らずのまま続けていたら偽装などと言われたのでしょうか?
確信犯的にする業者は別として、知らない業者さんもたくさんあると思います。
本当の意味での食品の安全安心とはいったい何なのかを考えさせられます。
実際に安全安心の物だけを使っていても、食品の表示に誤りがあれば、食品衛生法では安全安心とはならないのです。
それに最近の消費者の方で、メーカーに直接質問やクレームなど言っていただければいいのに、少し何かあれば保健所や消費者センターに持ち込んだりする方もいらっしゃいます。
そこで、保健所から連絡があった2件のお話を少しさせていただきます。
消費者の安全安心への不安
一件はラベルの消費期限が中のビンと外箱で違うとのこと。
お客様は「詰め替えしているのではないか」と言ったそうです。
神奈川県の保健所から連絡があって、その日のロッドの行き先全ての調査、当社の取引先の全てを開示しろとのこと。
その後地元の保健所からも連絡があり、原因等のレポートなどを提出しました。
原因を調べると、消費期限の所に製造年月日を打ち込んだという人為的なミスでした。
もう一件は愛知県の保健所から、お客様が「この梅は農薬の味がする」とのことでした。
そこで専門家による検査をすることになりました。
この担当の方は非常に食品に詳しい方で、「個人的には昔なつかしい梅でこんないい梅があったんですね」とまず褒められました。
しかし「お客様から言われた以上、梅、紫蘇ともに農薬を分析させてもらってもいいですか?」と言われたので、「ぜひお願いします」と申し上げました。
数日後その担当の方からお電話をいただきまして、「27品目の農薬検査を0.1ppmで検索しましたが、梅、紫蘇ともに全く検出されませんでした。見事です」と言われ「一般的にはこういった検査結果は報告だけですが、今後の商売にお役立て下さい」と分析表をいただきました。
(この記事は2010年時点の内容を2017年に執筆記載した記事です)