どくだみ茶の作り方
少し前にうちの会社の開発をやっている菅根と言うスタッフが、何年か前から自分の会社で使うお茶を作るのにどくだみをお茶にしようと始めました。
どくだみは古くは、之布岐(シブキ)と呼ばれていて、どくだみの名称は「毒矯み」(毒を抑える)から来ていると言われています。
どくだみは昔から十薬とも言われ、便秘や肝臓病、高血圧など薬効が多いことでも知られています。
うちの会社は8年前ぐらいから小ロットの商品や、マクロビオティックの商品を作る工場が別にあります。
この工場が出来た時は時間もあったので、彼女が空いた時に、 6月のどくだみが白い花を咲かせところに摘みに行って、それをお茶にしました。
それがあまりにも美味しくてどくだみ独特の臭みも少なく、普通にお茶として出されてもどくだみだと気付かない人が多かったのです。
ですから限定で自社のホームページで紹介し、どくだみ茶の販売を始めました。
しかし2、3年前から、この工場も商品数が増え忙しくなったので、彼女がどくだみを摘みに行くということがなかなかできなくなってきました。
現在(平成29年)は6月初旬、時間のある早朝に私が龍神村の裏山で摘んできたものを毎年買っていただくお客様のみをどくだみ茶を限定販売しています。
どくだみ茶の作り方・乾燥
どくだみを積むのがなかなか大変で、朝明るくなってきた4時半ごろから山に入るのですが、どくだみは大きく成長する場所が限られていて、雑草など他のものと一緒に生えている場所の方が背が高くなりいいものがあります。
ですから、どうしても荒れた場所で収穫するので、虫に刺されることが結構あります。
どくだみは根の部分にも効果、効能などにいい成分が沢山らしいので、 1本1本、途中で切れないように丁寧に引っこ抜きます。
それを束ねて袋に入れ、山から持ち帰ります。
山から持ち帰ると、これをまた1本1本洗って巻き付いたつるや、枯れた葉っぱなどをきれいに取り除きます。
それを何本かずつ束ねて根を上にして陰干しします。
風通しの良いとこで陰干しをして葉っぱが乾燥し、砕けるぐらいになれば、それをハサミである程度細かくカットします。
どくだみ茶の作り方で一番重要なのが、この乾燥になります。
陰干しの段階で乾燥が悪かったり、生乾きだと味が悪くなってしまいます。
この工程で陰干しがうまくいかなかったら味に影響するので、気を付けています。
どくだみ茶の作り方・焙煎
細かしたお茶をかまに入れ、じっくりと丁寧にかき混ぜながら焙煎します。
これを約2時間焙煎したらどくだみ茶の完成です。
どくだみを積んできたときは、生の状態では量も多いし重さもあるのですが、乾燥し焙煎すると十分の一になってしまいます。
ですから、この作業をして販売していると、おそらく私の時給は1時間300円ぐらいだと思います。
なかなかどくだみ作りはこういう風に手作りでやるうちはコストには合わないのでしょう。
私どもの場合は作りたいものを作るので、適正な価格はどうなのかが非常に難しいと感じることがあります。
ですから、こういう風に手間をかけ手作りだから、味がよく身体にも良いものができていくのだと確信しています。
手間をかけたおいしものの作り方
会社で使う味噌も彼女が作っているのですが、私自身この味噌がすごく美味しいと思い、お土産に東京の料亭の大将に渡したことがあります。
それをいきなり手の甲に乗せ舐めた瞬間、「いやー、この味噌は家で使っているのより味はいいよ。まあ、いくらコストがかかっているかわからないけど、これは世に出すべきだよ。」とおっしゃってくれました。
これを菅根に話すと、「会社で使う1年分の少量作るから管理ができて、この味が作れるのだから、販売するのに量を増やせばこの味にならないと思う。」と言われ、なるほどと納得しました。
ものづくりはこういうことをしっかり理解して作っていかないと量が多くなり、雑になるとやはり良いものが出来ません。
一度に沢山のものを作れば作るほど手を抜かず、きちんと丁寧に心込めて作ることがとても大切になります。