お米の自然農法を徹底解説

田んぼの準備と水管理

田んぼの準備と水管理

 

秋の米の収穫作業が終ってひと安心ですが、この頃から頭に入れておかないといけないのは、やはり来年の田植えの準備。

 

冬が来て雪が積もるまでに、田んぼを起こしておきます。

 

龍神村では冬場、氷点下5℃ほどにまで冷え込んできます。

 

ここまで冷え込むと田んぼの土が凍ってきます。

 

この土が凍るもの利用できるのです。

 

土が凍る前に土を起こしておく事によって田んぼの土が隅々まで冷えきって凍ります。

 

すると、土の中の害虫やその卵が凍って駆除することができます。

 

全滅とまでは言えませんが、有効な手段の一つなのです。

 

こうしておいて、しばらく田んぼを休ませます。

 

春になり2回目の田起こしをやっていきます。

 

2回目の田起こしが終わった後、田んぼの端っこの土を鍬で上げていき、水を効率的に溜めやすくするための水の通り道で田んぼを囲います。

 

 

田んぼの水漏れチェックは慎重に

 

この時にモグラの穴がないかをこまかく確認していきます。

 

これがものすごく厄介です。

 

モグラの穴があれば、そこから水が全部漏れてしまい、いくら水を入れても一向に溜まる事はありません。

 

穴をふさいでも次の年にはまた掘られているので、毎年穴を埋めるのも骨が折れる作業です。

 

村内のベテランの農家さん達に聞いてもモグラ対策の良い方法がないとのことで、困っている方が多いみたいです。

 

次に行うのが代掻き(しろかき)です。

 

これは、田起こしが完了している田んぼに水を張り、さらに耕うんして土を細かくしていく作業です。

 

苗にすくすく育ってもらうための重要な作業です。

 

ちなみに代掻きをする事によって土が細かくなるので、田んぼの細かい隙間などに土が入り、水持ちもよくなったりします。

 

代掻きが終わった田んぼは土が見えないように水を張っておき、水が漏れていないかを確認します。

 

少量の水漏れなら代掻きをすることで止まる事もあります。

 

代掻きは2~3回行い準備を整えていきます。

 

代掻きが終わった田んぼは、いよいよ田植え前の最後の仕上げです。

 

代掻きである程度は平にはなっていますが、さらにここからもっと平にしていきます。

 

 

えぶり棒での田んぼの仕上げ

 

一旦水を抜いてやります。

 

そうすると田んぼに水たまりができて、もっと細かく土が高い箇所と、低い箇所がわかるようになります。

 

それを、「えぶり棒」と呼んでいる古い木製の道具で土をならして行きます。

 

このえぶり棒はグラウンドをならすトンボに似ている道具で、前に付いている横長の板が前後に弁のように動き、土を押しすぎず、引き寄せすぎず、という道具です。これを使って田んぼに入り、自力で平にしていきます。

 

これが本当に難しいのです。力の入れ具合一つで大きく変わってしまいます。

 

さらに、田んぼ全体を意識してならしていかないと、ならしたつもりでも全然平になっていないという感じになってしまいます。

 

うまく使いこなせるまでは苦労します。

 

全て平になればまた水を入れてやり、田植えの準備完成です!

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