無農薬の畑は毎年状態が変わる

無農薬の梅畑を上手に管理する方法

 

無農薬の畑からとれた梅で梅干しや梅肉エキスを作った場合、完全均一な品質を作り出すのはとても難しいものがあります。

 

なぜなら、無農薬の畑の場合、日当たりや水はけ、立地や土地の栄養状態などによって梅の育ち方に微妙な差が生じてしまうからです。

 

当然ながら、畑でとれた梅を原料として作った梅干しや梅肉エキスも同様に、作った日や畑の違いで味に微妙な差が生じてしまいます。

 

無農薬栽培は、薬品や化学の力、或いは害虫駆除剤のような毒物(劇薬)の力に頼らずに、自然の恵みだけで作物を育てるということです。

 

いつも同じ味の梅を作ることは、畑の状態もいつも一定に保たなければなりません。

 

同じ状態の畑を保ち続けるには農薬を使う以外に方法はないのです。

 

畑の状態によって、毎年梅の味も決まってくるのです。

 

このことからも、味も形も完全均一な梅干しや梅肉エキスが作れないことは想像に難くないと思います。

 

弊社の無農薬梅製品をご愛用くださっているお客様から、「いつもの梅干しと風味が違う」、「いつもの梅肉エキスと風味が違う」といった問い合わせを稀に受けます。

 

例えば、梅肉エキスであれば、以前よりも硬い、やわらかいとか、少しプリン状になっているなどです。

 

このような問い合わせを受けると、まずは、こちらが感心するくらい商品の違いや変化に気付いていただけている事に感謝してしまいます。

 

では、なぜこういった違いが出るのかと言いますと、やはり原料になる梅の違いが大きく影響します。

 

原料の梅は全て無農薬の畑で収穫されたものです。

 

畑の違いによって梅の状態に微妙な差が生じているのです。

 

例えば、梅肉エキスは、一釜に入る量が青梅で1t(製品で20数㎏くらいになります)分なので、その都度多少違いが出ます。

 

梅肉エキスの原料になる青梅は、出来る限り若い青い梅を使うのですが、毎日搾っていても搾り始めから十日も経ってくると最初のものとは全く違ってきます。

 

それも色々と工夫して同じものに仕上げるように、火を止めるタイミングなどは一釜一釜スプーンでお皿に取り出しては確認するのですが、絞る梅の違いを完全均一にコントロールすることは出来ません。

 

 

無農薬の梅は加工も難しい!?

 

風味が完全均一な梅肉エキスもあるのでは?という疑問を持たれる方もいらっしゃるかも知れません。

 

ここで一般の梅と龍神梅との違いを比べてみます。

 

一般に梅肉エキスに使う梅は地元のJAや市場で仕入れたものを冷凍し、製造のたびに解凍して加工していきます。

 

しかも、一度に製造するロットの量は弊社とは比べ物になりません。当然ながら、一度に作るロットが多ければ多いほどバラツキの少ないものが出来るということになります。

 

例えば、1椀のお味噌汁と、お鍋1杯のお味噌汁、味が調うのはどちらですか?

 

考えるまでもなく、量の少ない1椀のお味噌汁を作る方が味を調えるのが難しいですよね。

 

また、一般の農家の梅は規格があるので、そろったものを購入することができます。農薬栽培で粒も揃いやすく、流通もJAの規格に合わせているので加工のしやすい梅が出荷できるのです。

 

それに比べて龍神梅は、畑による梅の個性がなかなかのものです。無農薬の梅ほど畑による個性が激しく出ます。

 

私もよくこのことは言っていますが、農作物というのは自然の環境で出来るもので工業製品の様に1万個作れば1万個同じものというのは考えられません。

 

1万個の梅があれば同じ木であっても微妙に大きさ、形など少しずつ違います。全く同じものを探す方が難しいと思います。

 

以上のことから、風味が完全均一な梅肉エキスが作れないことは想像に難くないでしょう。

 

梅干しも同様の理由で、大きさも風味も完全均一ではありません。

 

畑の場所の違いで、梅干しの味の違いを感じるお客様がいらっしゃることには毎回感激するのですが、決して手を抜いた結果として風味が不均一になっているわけではないことをご理解頂きたいです。

 

 

梅の味は畑で決まる

 

無農薬で育てた梅の風味の違いは畑の場所によって変わります。

 

おおまかにいうと、暖かい場所と寒い場所では、寒い方が酸味の強い梅が収穫される傾向にあります。

 

弊社の畑で地図上の直線距離で20km離れると、かなりはっきりした特徴の差がでます。

 

梅干は畑によって皮の硬さや肉の厚さなどがバラバラなので、出来る限りそろえてお出しできるよう、大きさや程度を一粒一粒撰別しております。

 

できる限りの対応はしているのですがこれ以上はどうしようもありません。お客様には畑の違いを感じて楽しんでいただけたらなあと思っております。

 

梅酒などは別々のタンクで出来たものを1つに混ぜ合わせてから瓶に充填するので、タンクが別でも1つになり、同じものに仕上がります。

 

弊社の梅干しは、真心込めて丁寧に、一粒一粒大切に作っております。だからと言ってバラツキが良いということではないのですが、原料の違いを少しだけご理解いただきたいと思っております。

 

今後も出来る限りバラツキが少なくなるように努力して参りますが、なにぶん自然相手なので多少の違いはご理解いただけますと幸いです。

 

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(この記事は2017年に執筆掲載されました)

 

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