食品の消毒洗浄の実態を徹底解説

食品の塩素消毒|漂泊洗浄の実態

食品の塩素消毒・漂泊洗浄の実態

 

無農薬で育てる梅は隔年不作が起こり、基本、普通の収穫量→不作というように隔年で不作を繰り返します。

 

また、梅の花が満開になる前後の気候が穏やかで蜂が活動しないと、交配がうまくいかず、畑によって全く収穫量が変わります。

 

この満開の時期というのは、畑の場所によってかなり差があり、うちの場合一番早い所と遅い所で約一ヶ月位変わるので、どうしてもたくさんの実をつけている畑と少ない畑と差ができてしまいます。

 

また、雨が多いと、スス(地元ではこう呼びます)といって、梅の実に本当にススのような、黒っぽいものが薄く付きます。

 

これは、うちのように一昼夜水にさらすときれいに取れるので、さほど問題はない事なのですが、一般的にはススが付かないように何回も農薬をまき消毒します。

 

それでも、例年よりも雨が多い年は、農薬が効かない場合があります。

 

そういった時に、一般的な農家さんや梅屋さんはどうするかというと、本当に驚きですが、出荷や漬込み前に何と塩素系消毒剤になる漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)に浸けるのです。

 

信じられないかもしれませんが、殆どの梅農家や梅屋は、この塩素消毒(漂泊洗浄)を普通に一つの工程としてやっています。

 

この塩素消毒(漂泊洗浄)に対して尋ねても、みんなやっているしという理由で辞める梅農家はいません。また、漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)に浸けるのと浸けないのでは、JAや市場の引取値が明らかに違うらしいのです。

 

塩素消毒(漂泊洗浄)をして黒っぽいススをとった梅の方が高く売れるのです。

 

これは、地元の梅農家や梅屋なら誰でも知っている事ですが、加工された物に表示があるわけでもなく、一般消費者は知らず知らずのうちに塩素消毒された梅を食べているのです。

 

 

食品の塩素消毒は工業商品の流れ!?

 

今の食品は本当に工業商品に近くなってきていると思います。

 

塩素消毒(漂泊洗浄)に関しても、きれいな梅の方が高く売れるというだけで、誰も疑問を持たずに作業しています。

 

梅を作っている農家の中には、「自分達が食べる分は塩素消毒(漂白洗浄)しない」と仰る梅農家もいます。愕然とします。

 

塩素消毒(漂泊洗浄)に使われる次亜塩素酸ナトリウムとは何かというと、みなさんご存知のカビキラーなどの主成分です。

 

あの液に浸けてピカピカにして出荷しているのです。

 

こんな物を毎日食べていたら、梅干が体にいいどころか、体に悪いのではないかと思います。

 

うちの直営農場を管理してくれている佐野君という若い子がいます。その佐野君は、元々梅の仲買業者さんをやっていました。

 

今でもその会社はありますし、社員もいます。

 

だから、農家さんや梅屋さんにも出入りがあるのですが、いつも「龍神の梅干し以外は本当に食べられない。他の梅干しは怖くて口にする事が出来ない」と言っています。

 

これは、私としては非常に嬉しい事なのですが、少し複雑な気持ちになります。

 

一般の消費者は、梅干しは健康食といったイメージがありますが、果たして塩素消毒(漂泊洗浄)した梅干しが健康に良いのかどうか、すごく疑問に感じます。

 

私にとって梅干しは、毎日食べるもので特に夏場は5個以上食べる時もあります。

 

これが、カビキラーやハイターで塩素消毒(漂泊洗浄)されている梅干しだったらと考えただけで気分が悪くなります。

 

しかし、一般的な梅の多くはそういった工程を経て作られているのです。

 

もちろん塩素消毒をせずに加工販売されているところもあります。

 

 

食品の塩素消毒は拡大傾向にある!?

 

この次亜塩素酸ナトリウムや苛性ソーダなどの漂白剤は、梅だけに使っているのではなく、スーパーの野菜やお刺身の横に添えられている“けん(大根や人参の細切り)”などの、陳列前の漂白処理に使っているお店も少なくありません。

 

使っている側は、常にきれいな商品でないと売れないからと言いますが、消費者がきれいを求め続けると、食品はどんどん加工の段階や出荷前に塩素消毒(漂泊洗浄)処理がされていくのです。

 

本当に怖い話です。

 

食品の作り手側として、自分が食べられない物や、自分の家族に食べさせられない物を作って販売するといった行為を不思議に思ってしまいます。

 

私どものように、無農薬で農作物を作ると梅干でも、最後に樽やパックに詰める時、B級品やつぶれなどがたくさん出ますし、一樽一樽で形や黒い斑点の付いた物など、不揃いの物にどうしてもなってしまいます。

 

こちらの事情が分からないお客様からは、今回の樽は硬い物が多いなどお叱りを受ける事もあります。

 

こちらも出来る限り品質の近い物を入れるのですが、どうしても畑の場所や出来具合によって、統一性がないのも事実です。

 

梅干しも加工品であり、元は青梅として木についている実です。

 

これを、同じ規格にもっていくには、数回~数十回の農薬を使用し消毒したり、挙句の果てには収穫してからの塩素消毒(漂泊洗浄)を行う事になっていくのです。

 

どうか、消費者のみなさまには、農作物というのは、土から出来る物で一つ一つは畑や気候など、色々な要素で違いが生まれ、全く同じ物はないという事をご理解していただけたらと考えています。

 

私どものような作り手は、消費者のみなさまのご理解があって、初めて良い食品を作る事が出来るのです。

 

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