老いも若きも12号|人間の免疫力
昔から「梅はその日の難のがれ」と言って朝梅干を食べておくとその日は病気にもかからないし、災難をまぬがれるということで梅干を珍重してきました。
確かに梅干には、水の毒、食物の毒、血の毒を解毒する作用があり、副作用がありませんからその働きは貴重なもので人間の免疫力をあげてくれます。
最近ではO157をはじめとしていろいろな病原菌が私達の健康を脅かしております。
病原菌が病気の原因ではありましょうが、同じ菌に冒されても発病する人しない人、また発病しても人によって程度の差があるのは個人の体力の相違によるのでしょう。
ですから、病原菌を目の敵にするのではなく、どんな環境におかれても逞しく生きていく力、免疫力を具えておく事が最も大切な事だと思います。
その逞しい体力はどうして培うことが出来るのでしょうか。
人間には万物の霊長だとかいって、自然を克服したかのような錯覚を起こしてきた嫌いがありますが、人間も大自然の中では人という一動物にすぎないことを再認識する必要があると思います。
食物にしても四季折々の野菜、果物だけではなしに季節を越え国境を越えた食物が多すぎます。
どうも経済を優先させてきたそのつけが、今廻ってきているのではないかとそんな気がします。
我々は自然児であることを再認識する必要があるでしょう。
時代の流れに流されるのではなく、自分の命は自分が守るという哲学、理念を持って生きていくことが、時代に左右されずに力強く生きていくことにつながるのだという気がします。
そして自然の力に逆らわなければ、自然はあたたかく力を貸してくれるものです。
唯、昔の人なら本能的に自分を守ることを知っていましたが、最近のあまりに自然から遠ざかった生活では本能が働かなくなって、自己を守ることが出来ない人が多いようです。
わからない時は謙虚になって自然界を眺めてみるとヒントがあるでしょう。
医食同源というではありませんか。
健康を維持するには日々の食事に気をつけることです
食事の内容だけではなく、腹ペコになって食べるとか夜は食べないとか、間食はしないとか、いろいろあるでしょう。
食べすぎ飲みすぎで病気になることはあっても、空腹で病気になることはありません。
ここで重要視されるのが梅干です
昔、梅干は侍の戦場食、薬食であって病気や怪我を治すのに役立ててきました。
今だってその知恵を生かすべきです。
ちょっとした事に医者だ薬だといっていたら、その副作用で望まぬ結果になりかねません。
梅で病気を治す方法(梅干健康法 三橋一夫 著より)
梅酢
・風邪 ・肺炎 ・気管支炎 ・喘息の発作 ・下痢 ・腹痛 ・食あたり ・コレラ ・伝染病
・ヒキツケ・暑気あたり ・打ち身 ・コブ ・ヤケド ・毒虫 ・腸チフス ・ハレ
梅酢には白梅酢と赤梅酢がありますが、薬効には変わりありません。
肺炎、気管支炎、喘息の発作がおきたときはレンコン(毛の生えた節のところが有効)を下し、しぼった汁をコップ半杯、これに梅酢を入れハチミツ、黒糖を味付けにして熱湯をそそいで飲むと著効があります。
消化器では下痢や腹痛に効きます。病人の年齢や症状にもよりますが、軽症なら大人で盃二杯の梅酢を湯呑に入れ、七分目まで湯を加えて飲むといいのです。
食あたりの時、梅酢を飲むと(少し水で薄めてもよい)悪いものをすぐ吐いてしまう。
伝染病の予防に毎日少しずつ飲むと安心。
ヒキツケには盃一杯。
暑気あたりには、水で十倍くらいに薄めてコップ一杯。
外用には打ち身、ハレ、コブに梅酢で小麦粉をねって貼る。
ヤケド、毒虫には梅酢をそのまま塗る。
平成9年7月発行
寒川 殖夫・賀代