老いも若きも13号|農業の土作り

老いも若きも13号|農業の土作り

老いも若きも13号|農業の土作り

今年の梅農業は豊作でした。

 

青龍の郷に栽培している千六百本の梅の木にも沢山の梅が稔りました。

 

苗の時から一度の消毒もせず、一握りの化学肥料もやらない梅の木にみごとに実が稔ったのです。

 

油虫で葉が巻くこともなく、梅の木は元気に育ちました。

 

山ですから急斜面に植えています。

 

山のてっぺんまで堆肥を負うて梅の木一本一本に堆肥や落葉をやり、年によって違いますが、骨粉、なたね粕、魚粉、けいふん、海草のぼかし、炭の粉等、肥料をやって手入れをしてきました。

 

山としては肥えていた土地に植えたのですが、梅の木を植えるのには痩せすぎていました。

 

その山の土を畑の土のように肥やすのに、十五年かかりました。

 

やっと梅畑一面はこべが生えるようになって、土が肥えてきました。

 

今までは秋にならないのに落葉するので、梅の木はあわれな姿をしていて可哀そうに思いましたが、最近では場所にもよりますが、肥えている所では青々と沢山の葉が繁って梅の木も喜んでいるようです。

 

「長い間、私達を育ててくれてありがとう。いつも堆肥を山の上まで運んでくれたおかげで、こんなに立派に育ちました。お礼にうんと梅を稔らせて御恩返しをしましょう。」と言っているようです。

 

やっとここまできました。

 

ようやく梅の木にお礼を言ってもらえるようになりました。

 

育てる歓びがあってこそ続いたことです。

 

いつかは土が変わる。

 

いつか良くなる日がくる。

 

良くなる、良くなると念じて積み重ねてきたのでした。

 

化学肥料をやらず、消毒もしないということになりますと、品種もそれなりに選ばねばなりません。

 

木の性質としては根を浅くはらないで、地下へ地下へと深く入っていくような品種でなかったらダメなのです。

 

一般に良いと言われている品種は当センターには合いませんでした。

 

在来種とか昔から土地の人達が改良してきたものの中で良いものがありました。

 

 

梅干は呼吸作用を助けています

 

梅干に含まれているクエン酸は強力に諸毒を消す作用があります。

 

日本の空は今や地方に至るまでスモッグにおおわれて、人間の呼吸を不完全なものにしています。

 

クエン酸が体内に入ると、肝臓の毒素が肺を通じて呼吸によって体外に出し、肝臓内の血液を浄化する働きをするのです。

 

「スッパイものは酸素を吸入しているのと同じ」ことなのです。

 

 

梅干は若返りの手助けをします

 

クエン酸は老化を防ぎます。

 

梅干は見ただけでもツバが出てきますが、ツバの中にはパロチンという若返りのホルモンが含まれているのです。

 

スッパイものは美容と若返りに大いに役立つのです。

 

 

梅干は血液が清浄になります

 

梅干は殺菌力が強いから、腸の働きを盛んにして自家中毒を防ぎますから、血液が清浄になります。

 

だから、全身細胞を生き生きとさせ、血管の硬化を防ぎます。

 

クエン酸の働きによって肺の働きが楽になり、血液が清浄になるので心臓の働きも健全になります。

 

肝臓の働きもラクになるので腎臓の働きもよくなります。

 

腎臓が健全なときは腎臓にくっついている性ホルモンを分泌している副腎の働きも旺盛になります。

 

性ホルモンの分泌が旺盛なときは、筋肉は柔軟で弾力をもつようになり、血行はよくなり皮膚は艶やかになります。

 

人間は年をとるに従って血液が酸性化しやすくなってきますが、クエン酸は血液をアルカリ性に浄化するので若返るとこんな具合です。

 

 

編集後記

 

梅干の特集をしようと思って文献を調べたら、梅干の効用があまりにも多くて一度や二度の特集では納まりきれません。

 

梅干がどんなに美容や健康増進にいいといっても、それは無農薬、有機栽培で添加物は一切なし、といったものに限ります。

 

農薬や化学肥料を施したものや塩出しをして味つけされたものは百害あって一利なしということになります。

 

 

平成9年7月発行

 

寒川 殖夫・賀代

 

 

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