老いも若きも19号|梅干しはアルカリ性食品
梅干健康法③
参考文献:梅干し健康法 三橋一夫
梅干は血液をアルカリ性にし、エネルギーを増進させます。梅干のすっぱさはクエン酸ですが、クエン酸は人体がカルシウムを取り入れ吸収する力を強める働きがあるのです。
カルシウムを特に必要とする妊婦がすっぱいものを好むのも実は意味があったのです。
クエン酸は血液をアルカリ性に傾けるのと同時に体力、活力を増進し、ビタミンを生産し血の濁りを消すから高血圧症、動脈硬化症、卆中、神経痛、リュウマチ等の老人病を予防します。
まとめると
- 植物性の酸(クエン酸)は胃液の分泌を促進させる
- 肝臓の働きを旺盛にする
- 新陳代謝をさかんにする
の三つになるのです。
だから激しいスポーツ、労働、神経の使いすぎなどで全身が疲労したときには梅干、レモン、夏みかん等の植物性のすっぱいものを補給すれば疲労は回復するでしょう。
ただし無農薬、無化肥のものでなかったら農薬は極陰の酸性のものが多いので、効果はあまり期待できないでしょう。
梅干健康法④
長谷川卯三郎(新医学禅)より
梅干のすっぱさは植物性の酸(クエン酸)といいます。
米・麦・パン等の澱粉質は体内で消化されるとブドウ糖になり、そのブドウ糖がエネルギーとなりますが、ブドウ糖がエネルギーに変化するときにクエン酸が加わると化学変化が生じて十倍以上もの活動力が生まれるのです。
また米・麦・パン等の澱粉は人体内に入ると乳酸を作り出します。
乳酸は人体が老化すると沢山できすぎるようになります。乳酸とは疲労素のことです。
この乳酸がたくさん出来すぎると体内の蛋白質(肉・豆類)と結合して乳酸タンパクとなって固まります。
これがたまると細胞を老化させ、血管を硬化させます。
ところが、梅干などのすっぱさが加わると人体の老化が原因で沢山出来すぎるという乳酸の多くなりすぎるのを抑制してしまします。つまり、体内の働きが若返るということになります。
血液中に乳酸(疲労素)が多くなるということは、東洋医学的に言えば「瘀血」(血が濁る)と言います。
クエン酸を体内に取り入れることで、疲労回復、消化に効果があり胃腸の働きが活発になるので便秘がちの人や、肩こり関節のだるさ等によく効くのです。
梅酢の効力
梅を漬けたとき出る汁が梅酢ですが、これがまた梅干に劣らぬくらい薬効が高く、普段お料理にお使いになることをお勧めします。
- 呼吸器の病気では、風邪をひいたときに就寝前に盃一杯くらいにハチミツを入れ、熱湯をそそいで飲み寝ると発汗して治る。
- 肺炎、気管支炎、喘息の発作等には、レンコン(毛が生えている節のところがより有効)を下してしぼった汁をコップに半分、これに梅酢、ハチミツを飲みやすい量を入れ、熱湯を注いで飲むと著効がある。
- 下痢、腹痛には大人で盃2、3杯の梅酢を湯呑に入れ、7分目まで熱湯を注いで飲む。
梅肉エキスは、胃ケイレン、食中毒、乗物酔、酒の二日酔、日射病、暑さあたり、気絶、脳貧血、丹毒、盲腸炎など、急を要する場合に即効があるし、万一、病気をまちがえて飲ませても無害で有効である。
しかし、梅肉エキスの特徴は、細菌性の病気に偉効を示すことである。
飲んで、毒下しになり、塗って、難治の水虫を治す。
ただし、水虫は初期の軽症のときなら、そのまま塗ると2,3日で治るが、重症でくずれるようなら金ダライに入浴時ほどの温度の湯を入れ、はじめは薄く梅肉エキスをといて、毎晩、就寝前に10~20分くらい患部を浸すようにして、毎日少しずつ(梅肉エキスの量を)増量するようにしなければならない。
痛みがなければふやすのである。
毒虫、蜂、蟻などに刺されて無惨に腫れあがったような時でも、梅肉エキスを2,3回つけると全治する。インキン、タムシなども、水虫のときのように徐々に濃くしてゆくとよい。
しかし、何といっても梅肉エキスの尊さは、生命にかかわるような病気を治してくれることである。
平成10年3月発行
寒川 殖夫・賀代